俺は、今、木の葉の里に来てます。
いやー、なかなか広いなー・・ってか人の気配が多いよ!!
って人里なんだからしょうがないか・・。
うー、別に人間は嫌いなわけじゃないんだけど、里に来たのは失敗だったかなー。
いやいや、ナルトとシカマルに会うために来たんだ!
こんなとこでくじけちゃだめだ!!


話は数日前にもどる。
俺はちょっと前に結婚したんだ。
ん?おめでとうって?
ありがとな!・・「惚気んじゃねぇよこの色ボケ狐!」
って言って誰もまともに俺の話聞いてくれねーんだよ!!
ちょっと、俺の幸せを分けてやろうと話しただけなのになっ!
っと話題がそれるとこだった。
まあ、そういうわけで俺は結婚したんだが
そこでナルトとシカマルっつう人間と知り合ったんだ。
サコウさんに頼んで九尾の器さんを呼んでもらったんだが、
本人もその連れも見てて全然飽きない奴らだった。
さてさて、そういうわけでかなり仲良くなったんでこの前も会ったんだ。
ところが、だ。
シカマルの奴、本を置いてったんだよ。
しかも大量に。
どう見ても門外不出だと思われる本を。
・・・・・・・・こんなとこに置いていくんじゃねえよ!!!!
俺の住処にしまってたんだが邪魔だしな、
風呂敷に包んで里に行ってみることにしたわけだ。

ってわけでやって来ました木の葉!!
結構簡単に入国できるもんなんだなー。
ったく、背中の荷物が本当に重い・・。
妖術使って変化したんだが、も子どもの姿は失敗だったかな。
せめてもうちょっと大きい姿にしとけば荷物持つのも楽になったのに・・俺の馬鹿!
それは、まあおいといて、とりあえずシカマルたちのとこに行くか。
・・・・・・・・あいつの家ってどこなんだろうか。
やっば、そういえば知らないじゃん・・・。
「はー・・・ナルトーシカマルー・・何処だよー・・・・・」
ちょっと声に出しただけだったんだが、なんと反応して返してくれる奴がいた。
「何?おまえナルトとシカマル探してるのか?」
「そうなんだよ少年、できれば私に教えてくれないか?」
「(・・・俺と同い年ぐらいだろ・・?)いいぜ、俺も遊びに行く途中だったし」
ははは、いやー、流石木の葉!
いい子どもたちだな!木の葉の将来も安泰安泰。
・・・・なんか、この子ども、嫌なにおいがするんだが・・・。
強いて言えば、俺の苦手なヤツの匂い。
「俺はキバだ!こっちは赤丸、おまえは?」
キバっつう少年の懐から、小さい犬が顔を出した。
牙を向けて唸り声をあげながらこっちを見上げている。
・・・・・・・・・・犬。
古来から狐の天敵とされてきた、犬。
「ぎゃーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
「あ、おい??」
俺は、そりゃーもう大きな悲鳴をあげて逃げ出したさ。
だって犬だぜ!?
・・うぅ、九尾のおじさんはよく犬が平気だったなぁ。
俺もいつかこの弱点は克服できるようにしよ。

あの犬っ子少年から逃げ出して、いつの間にか広場に出ていた。
真ん中にあった噴水の側で腰を下ろし、ちょっとため息。
大体、シカマルが俺ん所に本置いてくから悪いんだよ!
後で会ったら絶対油揚げ奢らせる!!
「そんなにお腹減ってるの?」
「・・・へ?」
「いや、よだれ」
いやー、びっくりしたー。エスパーかと思ったじゃないか!
「あ、うん・・・」
「これ食べる?」
少年は自分が食べていた菓子らしきものを俺に差し出してきた。
ほー・・、ずっと森で暮らしてたしな、こういう嗜好品は初めて見た。
「食べる食べる!!」
「いいよ、はい」
差し出した袋には『ポテチ』と書いてあって、うん、うまい。
人間ってこんなうまいもん食ってんのかー。
いいなー・・人間っていいなー・・。おいしいおやつにほかほかごはん・・・・。

「おい、ナルト」
「んだよシカマル」
「あれ」
「・・・・・・・・・・何やってんだあの狐は」
「やっぱ、あいつってあの白狐だよな」
チョウジと一緒に菓子を食べている白髪の少年。
見た目は、目立つが普通の少年だが・・・・・
「あんな時代錯誤もいいトコな奴なんてそういないしな」
「しかも背に思いっきり自分の家紋入れてるし」
この前、あの白狐の挙式に呼ばれたときに親族らがつけていたのと同じ紋だ。
「・・どうする?」
「放っておくわけにもいかねぇか」

「何やってんだよ」
俺が色んな菓子を少年から分けてもらっていると、後ろから話しかけられた。
「あー、シカマルにナルト」
少年がにっこり笑って二人に挨拶する。
俺が文句を言おうとするとナルトが爽やかに笑いながら俺の口をふさいだ。
「こいつ、他国での任務で知り合った俺の友達なんだ!」
「へーそうなんだ。どうりで珍しい格好してると思った」
え、俺の服装おかしいか?
「ったく、どこほっつき歩いてたんだよ!・・・じゃあ行くわ、またなチョウジ」
「うん、シカマルもじゃあね」
「おう」
少年が見えなくなったところで、ナルトは俺の口を塞いでいた手を離した。
「何でこんなとこ来てるんだ?」
「シカマル!!おまえが大量の本を俺の住処に置いていくから返しに来たんだよ!」
「あー・・・そういえば、悪ぃ」
あの重い風呂敷を渡すと、シカマルはため息をつきながらそれを受け取った。
「そのためだけに来たのか?」
「俺に奢れ。油揚げ・・あときつねうどん」
森じゃ食えないんだよ。
そう付け足すと、なんか妙なため息をついて、二人は俺を連れて歩き出した。
「んなもんいくらでも奢ってやるからそう怒るなって」
「いくらでも!?本当いいよなー、里って。うまい食い物の店がいっぱいあるし」
「作ればいいじゃないか」
「・・・・・・・・・じゃあ、こっちに新しい店入れてくれよ」
「勘定のときに葉っぱを金に変えて出されたらたまんないな」
「今時の妖狐はそんなセコイことはしない!」
「「はい、嘘」」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・なんでわかったんだろ。



「よう、坊主。あいつらの里に行ったって本当か!?」
「おう、行って来た」
「やっぱ面白いものとかいっぱいあるんだろー、いいよな」
「はは。あの二人にきつねうどん奢ってもらったんだ」
「きつねうどん?・・・・・・・まさか、俺たちの肉を・・・?」
「違う違う。うどんとあぶらあげとー・・・・・・」




白狐が丁寧な口調で喋るのは、最初だけ。
一人称も俺。「私」は猫かぶり。