「ん・・・・・」
柔らかい布の感触が足にある。
シカマルは寝ぼけながらもゆっくりと目を開ける。
見慣れた天井、ここは自分の部屋だ。
時計を見ると八時になっていた。
朝か夜かは窓がないのでまったく判断できないので部屋を出ることにした。

どうやら朝だったらしく、窓から日の光が降り注いでいた。
父親が椅子に座ってコーヒーを飲んでいた。
少し疲れているように見える。昨日は非番だと喜んでいなかったか?
「おはよう」
「ん?ああ、はよ。おまえ昨日は色々あったが身体は平気か?」
色々・・・確か九尾の狐がどうとかで追いかけられたんだよな。
森に逃げ込んで・・?そう、確か・・・誰かがそいつを倒したんだ。
「別に、怪我してねぇし」
「そか・・そりゃよかった」








「・・・・・・・じーちゃん、俺どうしてここにいんの?」
火影邸の、三代目の私室のベッドで寝ていたナルトは瞼を擦りながら上半身を起こした。
枕元に自分の狐面が置いてあった。
「森で寝とったんじゃ。一体何をしとったんだか・・」
森・・・確か俺、九尾がどうたらって言ってた奴を追ってたんだ。
そう、俺の代わりに襲われそうな人がいたんだよ。それを止めさせるために喧嘩吹っかけたんだ。
・・・・・・・・誰だったか。誰が誤解されたんだったかな。
何で思い出せないんだ?うーん、おかしい。
「おぉ、そういえば」
じーちゃんがタバコをふかしながらこちらを向いた。
「上忍の奈良シカク・山中いのいち・秋山チョウザが特別残業手当を要求してきたんだが、
 コノトとして何か知らんか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・あー、奈良さんに色々頼んだかも」
そう、奈良上忍に噂の揉み消しをしてもらったんだ。
何で?・・なんでだろ。結構信頼できそうな人だったし、暇そうに外歩いてたからかな?
「そうか、じゃあおまえの給与から天引きじゃ」
「えぇ?ちょ、待ってって!こんなか弱い男の子からお金を奪うの?!」
「か弱い男の子は2桁にもならない年齢で暗部に入ったりはせんわ」
あれ?なんか、こんな感じの会話しなかったっけ??
・・・・・・・・・・・・うーん、まじ記憶にないんだけど。気のせいか?






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